【第3回】ビッグバンドのメンバー構成とパート編成を考えよう

~理想と現実のバランスをとるポイント~

ビッグバンドを立ち上げるとき、次にぶつかる壁が「どのパートを何人集めればいいのか?」という問題です。この記事では、ビッグバンドの標準的な構成から、現実的なスタート方法、そして募集時のコツまでを具体的に解説します。

 

◆ 標準的なビッグバンドの構成とは?

ビッグバンドは、一般的に以下のような17人編成が基本です:

【サックスセクション】5人
  • アルトサックス:2名

  • テナーサックス:2名

  • バリトンサックス:1名

【トランペットセクション】4〜5人
  • トランペット1~4(ハイノートが得意な人も欲しい)

【トロンボーンセクション】4人
  • テナートロンボーン:3名

  • バストロンボーン:1名

【リズムセクション】4人
  • ピアノ:1名

  • ギター:1名

  • ベース:1名(ウッドベースかエレキベース)

  • ドラム:1名

オプションで:

  • パーカッション(コンガ、シェイカーなど)

  • ボーカル(曲によって必要)


◆ 全員そろわないと始められない?そんなことはない!

よくある誤解:「全パートがそろうまで始められない」
実際は3人でも始められます。

  • サックス+ピアノ+ベースからスタートでもOK

  • パートがいない部分は、音を補う・抜く・MIDIで補完など柔軟に対応

  • 途中参加や入れ替わりがあるのが当たり前と考えておく

重要なのは、「集まったメンバーで楽しむ」柔軟さです。


◆ メンバー募集の優先順位を考えよう

ビッグバンドは全員が主役ではなく**「役割の集合体」**です。
そのため、最初に揃えたいパート・後からでもよいパートを明確にしておくと、スムーズな立ち上げができます。

優先度(目安)

優先度 パート 理由
★★★ ドラム、ベース リズムがいないと合奏にならない
★★☆ ピアノ、ギター コードの基盤、雰囲気作りに重要
★★☆ サックス(特にアルト1, テナー1) メロディ&ハーモニー要員、音が華やかになる
★☆☆ トランペット、トロンボーン 中低音やハーモニー強化に
☆☆☆ バリトン、バストロンボーン、パーカス、ボーカル いればより豪華に、後回しでもOK

◆ 現実的な立ち上げステップ(例)

  1. リズムセクション(ドラム・ベース)をまず探す

  2. サックス・トランペットなど、旋律を担うパートを徐々に追加

  3. 練習用に譜面をアレンジ(人数が足りない時用に抜粋編成譜を使う)

  4. 月1ペースでセッションしながら、定期練習を軌道に乗せる


◆ パートが足りない場合の対処法

  • MIDIや打ち込みを活用して練習用音源を作る

  • セクションの譜面をカット(例:トランペット2本で4パートを演奏)

  • 楽器をダブっているメンバーに「兼任」をお願いする

  • SNS等で「急募」としてピンポイント募集する


◆ まとめ

完璧なメンバーがそろう日はなかなか来ません。でも、**「今いるメンバーでできることを最大限に楽しむ」**という考え方が、長く続くビッグバンドを作るコツです。

次回は、「練習の進め方とメンバーのモチベーション維持法」について詳しく解説します。

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