あなたにも出せる!ハイトーン奏者が語るハイトーンのコツ

結論から言えば、**ハイトーンは才能ではなく“習得できる技術”**です。もちろん、個人差や体格差は多少ありますが、それ以上に大きいのは「正しい練習」と「継続する覚悟」です。この記事では、私自身の体験をもとに、ハイトーン習得の壁とそれを乗り越えたコツを、なるべく具体的にお伝えします。



「無理に出そうとするな、小さな音で出す」



「ハイトーンなんて、自分には無理だ」「生まれつき音域が高い人だけのものだ」。そんなふうに思っていませんか?私も昔はそうでした。しかし今は、ハイトーンを武器にして演奏を楽しんでいます。

私が最初にぶつかったのは、「力めば出ると思い込んでいた」ことでした。音が高くなるにつれ、どうしても息を強く、唇をギュッと締めてしまう。でも、それでは音が詰まり、上がるどころか出なくなるんです。

プロの先輩に言われてハッとした言葉があります。

「出そうとするな まずは小さな音で吹け」

これは目からウロコでした。

まずは、小さな音で出すこと、なんの音でもいいのです。
鶏が首しめられてる音でもいいのです。小さな音でまずは、出す。
息の力はいりません。とにかく、小さな音で少しの息で吹きます

力まない。
その感覚をつかむまで、かなり時間はかかりましたが、今思えばここが分岐点でした。


アンブシュアの再構築

もう一つの転機は、「アンブシュアを見直したこと」です。私はそれまで、上下の唇を均等に使っているつもりでしたが、音を覚えるために極端に小さいマウスピースを買いました。
8個は買っいました。そのなかで一番しっくりきたのが、 Bachの 10 1/2 S です。
以下のマススピースです



ろうそくを吹くように口をすぼめるようなイメージで高い音をだすようにしました。

この修正で、ハイトーンの安定感が一気に変わりました。


息の通り道をイメージする

ハイトーンで重要なのは、「息のスピードと通り道」。空気は多く必要ありませんが、とにかく速く、細く、鋭く通さなければいけません。私の場合、ストローでピンポイントにロウソクを吹き消すようなイメージがしっくりきました。

また、下から上へ突き上げるような角度で息を出すと、音が天井に向かって飛ぶように響きやすくなります。この角度と唇の支えがマッチすると、不思議と高い音が楽に出るようになってきます。


練習は「短く、頻繁に」

これは本当に大事です。ハイトーンの練習を長時間やると、唇がバテて逆効果になります。私が取り入れて効果があったのは、1日3回、各10分だけ集中する方法です。

  • 朝:ロングトーンとリップスラーで準備運動
  • 昼:ハイトーンだけに特化したスケール練習
  • 夜:実際の曲やエチュードで応用練習

このサイクルを毎日繰り返すことで、無理なく少しずつ音域が上がっていきました。


最後に:あなたにも必ず出せる

ハイトーンは、ある日突然出るようになるわけではありません。けれど、「正しい方向で毎日コツコツと」練習を積み重ねれば、誰でも少しずつ音域は上がっていきます。

もし今、苦しんでいる方がいたら、まずは力を抜くこと、鏡でアンブシュアを見直すこと、息のスピードと角度を意識すること。この3点を今日から始めてみてください。必ず変化が現れます。

トランペットは難しい楽器ですが、だからこそ挑戦する価値があります。あなたの音が空高く響く日を、私は心から応援しています。

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